2005年11月

2005年11月28日

特許ライセンス交渉4

最近はベンチャーとの交渉対策会議で忙しい。

相手もどんどん自分の有利な方向に持っていこうとしているので、どこで折り合いをつけるか、が問題になる。

交渉で一番強いのは、じゃあ止める、と気楽に言える立場だろう。


今回の場合は、相手先から欲しいと言ってきた案件なので、こちらから断ることは可能だ。そういう意味ではやりやすいとも言える。

しかし、相手の方も、じゃあ、要らない、と言える場面でもある。


一般に、ライセンス交渉はいつでも「要らない」と言える、開発の初期の段階でやるのが望ましい。

開発がほぼ完成し、製品化直前になってあわててライセンス交渉すれば当然に足元を見られる。

と、言っても、早めにライセンスを受けたが、実際の製品には使わないということもありうる。

製品化に必須の技術かどうかで判断するしかないだろう。

2005年11月22日

特許ライセンス収入と経営3

パイオニアの会長、社長が退任した。
業績が悪化した責任を取った形だ。

プラズマテレビに社運をかけて事業を拡張したが、うまく行かなかったようだ。

特許収入は好調らしいが、現実の事業がうまく行かないとやはり苦しい。

昔のビクターが特許収入が好調だったが、それ以外がうまく行かなくなっているのとどこか似ているかもしれない。

特許収入がいくら好調でも、現業の方で収益を上げる仕組みが必要だ。
特許のライセンス収入に頼る経営は危険である。

やはり、自社の製品を開発、製造、販売する事業を持つか、特許を継続的に出してライセンス収入で成功する山崎俊平氏のような開発力を持つか、いずれかを明確にして戦略を立てるべきではないかと思われる。

2005年11月15日

審判請求後の費用

今日は拒絶査定不服審判の審尋に対する意見書の回答が来た。
一定の補正をすれば特許になる、というものだ。

審判をする場合、着手金が20万程度、成功報酬が10〜20万、補正が5万、特許になったことの成功謝金が10〜20万といったところが大体の相場だ。

すると、補正して特許にすると、審尋後で、20万〜50万位かかることになる。

しかし、通常は審判まで行くのは重要な特許であって、それ位の費用がかかることはわかった上で審判を請求している。

それ以上の収益が見込めるからこそ審判請求をしているということだ。

逆に言うと、儲からない出願でむやみに審判請求をするとコストアップになるということでもある。もっとも、普通は審判請求の前の、審査請求や補正の段階でコストパフォーマンスを考えて捨てるべきものは捨てることになるだろう。
firstrategy at 22:57|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)特許 | 審判

2005年11月14日

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特許事務所の経営5

最近、ものすごく稼いでいる弁理士の先生と会った。
月300万は軽くオーバーしているそうだ。
(もっと稼いでいる人もいるでしょうが...)

かなり前に開業弁理士の平均年収が2000万程度と言われていたが、その倍近い売り上げをあげている。

その一方で、ある事務所の幹部の先生は、事務所の経営が苦しくなって経費があまり使えなくなり、最近高級クラブに行けなくなった、と嘆いているという噂を聞いたことがある。

弁理士もこれからどんどん数が増加して、競争が激しくなってくるだろう。
大手の事務所と言っても突然クライアントが買収され、買収先の特許事務所に顧客を奪われるということも起こりうる。

そうしたことは防ぎようが無いので、そうなった場合にどうするかは常に考えておく必要がある。

そういう意味では大手のクライアント1社に大きく依存した経営はそうしたリスクがあるので、そうしたリスク管理も含めた経営センスが今後は今まで以上に必要になるように思う。

firstrategy at 00:48|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)特許 | 経営

2005年11月10日

発明の仕方5

進歩性の判断についてだが、日本では効果というものが参酌される。
異質な効果か、同質であるが、際立って優れた効果だ。

進歩性の拒絶理由が来たら、全く予想もつかない効果というのを考え出して意見書で反論したらよい、というのを昔行った予備校の先生が言っていた。

そこで、いろいろ考えてみたのだが、イマイチいいアイデアが出てこない。
しかし、こういう考える訓練をすることは非常によい。

それだけでどんどん発明をしているようなものだ。

新しい技術を見たら、その用途をたくさん考える。その中にいい発明が含まれていることもある。

日本でも個人発明家として成功している人も少しはいるらしい。
そういう人は特許ライセンスの収入だけでずっと生活できている。

交渉もうまいらしい。

私もライセンス収入だけで暮らしていける位の発明をしてみたい。
あるいは、他人の発明に持分を入れてもらって、小判ザメのように稼げたらと時々思う。

2005年11月08日

合格発表4

今日は最終合格者の発表でしたね。
最終合格された方、おめでとうございます。

しばらく思う存分合格を喜びましょう。
祝賀会もたくさんあるので、できるだけ出て好きなだけおいしいものを食べ、飲んで下さい。就職の誘いもあるでしょうから。

そして頭の片隅で今後のことを考えておくとよいでしょう。

今年の合格者数が711です。これからは競争の時代に入るので自分の得意分野を持つ必要があります。

無職の方、知財部以外の部署の会社員の方は、自分の会社で知財部に異動希望を出すか、特許事務所に移るか、あるいは他社に転職するか、といった決断を迫られることになるかもしれません。

自社の知財部に移るのはそう簡単ではないようです。
私の知人の弁理士で何年も待っている人がたくさんいます。
中には10年異動希望を出し続けてやって異動できた、という人さえいるくらいです。

そのように何年も待ってもよい、という方は、今の部署にいて、その仕事をやりながら異動のチャンスを待つという手も考えられます。その方が自分で明細書を書いたりできるので、知財部に異動して弁理士事務所に説明に行くだけよりも知財の仕事を主体的にできる面もあります。

この場合には自分の発明を自分で明細書に書くということができます。それにより、どういうデータをそろえれば強い特許が取れるかという訓練ができます。

しかし、すぐに知財の仕事を始めたい、と考えているのであれば、早めに弁理士事務所に転職するのもよいと思います。一日も早く独立したい、と考えるのであれば、できるだけ早く弁理士事務所に入って実務を身につける方がよいです。

独立はリスクがあるのと、合格者数が増えたので、これからは会社の勤務弁理士も弁理士の選択肢として増えてくると思われます。

無職や学生さんで初めて会社に入社したり、会社員等で転職する場合は、その会社の弁理士の数を調べましょう。

弁理士会の弁理士検索システムで会社名を入れれば簡単に調べられます。

もし、弁理士を募集している割には合格した年が最近の若い弁理士が1〜数名しかいないとすると、その会社は要注意かもしれません。

弁理士を全く評価しない会社もたくさんあります。そういう会社では弁理士は社外の事務所を使い、自社では弁理士の仕事をほとんどやりません。弁理士として入社してもストレスがたまる可能性があります。

逆に、弁理士を優遇する会社もあります。化学系の会社では明細書を内製するところも多く、そういう会社では特許事務所のような明細書作成能力が身につきます。こういうところでは先輩弁理士がしっかり鍛えてくれますし、弁理士であることのメリットがあります。

弁理士がそれなりに評価されているかのメルクマールの一つが、会社の弁理士の数や取締役に弁理士の知財部長がいるか、といったことだと思います。弁理士を自社で雇用しておくか、全て外部の事務所に依頼するかは知財部、ひいては会社の方針ですので、一概にどちらが優れているとかいう問題ではありません。

もちろん、例外もあると思いますが、一つの指標として、会社の弁理士数を調べるのはその会社の弁理士の活用ポリシーを知る上で参考になります。

2005年11月06日

弁理士試験の勉強方法について4

昨日はある懇親会に出ていたのだが、そこで感じたのは、成功した人のやり方をそのまま真似しても成功できる人は少ない、ということだ。

弁理士受験の場合でも、合格体験記を読んで、そのやり方を取り入れても、効果のある場合と、あまり効果の無い場合がある。

効果の無い場合は、さらっと書いてある部分を実行していない場合がある。

例えば、
私は○○に力を入れて一生懸命やりました。ただし、△△もやったので余計に大変でした。

と書いてあった場合、○○だけを取り入れても駄目で、△△も同時にやって初めて完全な効果が出る場合がある。

他人の体験記は全ての要素が書かれていない場合もある。筆者があまりにも当たり前と思って書いていない等の場合だ。

体験記のベクトルを全て足すとゼロになる、と正林先生も昔言っていたが、全体として効果のある方法でも、他の方法とミックスすると効果が弱くなるものがある。

例えば、速読と音読を同時にやるのは効率がよくない、といったようなことだ。

こういうノウハウは実際にやってみないとわからない。やってみて不都合があるときに、自分なりに工夫してみて、自分なりの勉強方法を確立できるとよい。

体験記に書いてあるやり方でうまく行った場合はよいが、そうでない場合は、何が足りないのか、体験記を読み直し、自分なりの工夫を付け加えることで、より有効なやり方が見つかることがある。

2005年11月04日

特許ライセンス交渉2

最近、特許ライセンス交渉があまり調子がよくない。

特許ライセンスの場合、時期がかなり重要だ。

数年前なら数千万でライセンスできたものが、今では不要ということがあった。

数年も経てば代替技術が出てきて、以前の特許の価値がなくなったということだ。

だからライセンスにはタイミングが非常に重要だ。

また、世の中の進み方も考慮しなければならない。

常に条件をぎりぎりで出して交渉締結まで1年位かかるのは大企業間の交渉ではよくあるが、海外のベンチャー相手の場合はまずい場合がある。

特に相手が正直ベースでぎりぎりのオファーをして来た場合は、言い値で折り合った方がよい場合もある。

海外の相手にメールだけで交渉するのはかなりの危険を伴うので注意が必要だ。

人生は数式で考えるとうまく行く5

先日から紹介している大村あつしさんの著書「人生は数式で考えるとうまく行く」だが、なんと、八重洲ブックセンターで2週連続週間1位を獲得したそうだ。

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『人生は数式で考えるとうまくいく』 
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アマゾンでも4位らしい。
先週も3位まで行ったが、1位にはなれなかった。
(瞬間的に1位になったという情報もあるが、確認されていない。)

今回はある巨大なMLのメンバーが応援した面もあるが、アマゾン以外のリアルの書店でもよく売れているらしい。

アマゾンの順位は1時間毎に更新されるそうなので、あるコミュニティのメンバーが一斉に購入すれば順位を上げることは簡単だろう。ただ、そうした行動をさせる何かが大村さんにはある。この本の内容も十分自信を持って人に勧めることができる。

今回、MLメンバーが協力して再度アマゾン1位を目指しているようだが、一度3位までいって、その後順位がかなり落ちた本が再度1位を狙える位置につけている。

私自身もこの再トライに興味がある。
本の販促がこのような形で行われ、アマゾンで1位を取るということが普通にキャンペーンをやるのではなく、一定の時期に集中してやることでアマゾンの高順位を取れる仕組みがわかったのは収穫だった。

インターネット時代の本の売り方やキャンペーンの仕方は従来のリアルのキャンペーンとは異なるシステムが必要だ。

こういう新しいシステムを発明し、特許化するのも面白いだろう。