特許情報フェア:特許で特許情報フェアを弁理士が解説!



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2007年11月08日

特許情報フェア

今日は特許情報フェアに行ってきた。これは毎年科学技術館で行われているものだが、特許情報解析ソフトや特許管理ソフト、特許戦略コンサルティング、パテントマップ、海外判例情報、特許事務所などの会社が出展して新製品を宣伝するものだ。参加者も以前よりもさらに増えているように感じた。

特許調査やパテントマップのソフトウエアは以前に行ったときよりも相当レベルアップしており、特許調査の中間段階の履歴が知財部員全員で見れるようなシステムなども開発されていた。

特許調査をした場合、パテントマップにまでしておかないと、単なる文献集めだけで終わってしまう。しかし、その履歴があれば、また同じような検索をする場合に、キーワードやIPC(国際特許分類)、Fターム等がわかるので、便利である。

特許情報フェアではセミナーもあり、米国の知財ビジネス事情や特許オークション、米国での契約交渉等の話が面白かった。これらのセッションは事前申し込みで満員でキャンセル待ちだったのだが、キャンセル待ちの列に並んでいたら比較的簡単に入れた。並んでみるものだ。今回はキャノンのインクリサイクルの最高裁判決については話題になっていなかった。単純な事件だったためか、あまり話題性が無いようだ。フジフィルムと似たようなケース等であれば話題になったかも知れないが。

私自身は米国での契約交渉や契約書チェックの経験から、契約交渉の話は非常に面白かった。知っていることも多かったが、事例や判例で話をされると理解が深まる感じだった。

また、日本と米国でのletter of intentの扱いについても、日本では信義誠実の原則から有効な契約とされることが多いのに対し、アメリカでは原則non-bindingとなる。これはアメリカでは契約の内容が明確でなければならないためだそうだ。

日本でも契約については確定性が求められるが、letter of intent程度の確定性でもよいらしい。日本の研究者は契約はできるだけあいまいな方がいい、とわかったような口をきくが、それでは通用しないことを知財部員が教育する必要があるだろう。

また、欧州特許庁のesp@cenetについては、pdfで全文をダウンロードできるようになったそうで、1ページずつ100ページ近い公報をダウンロードしなくて済むと思うと非常にありがたい。

日本も早く公報全文のpdfのダウンロードをしてもらえるといいのだが。


firstrategy at 23:01│Comments(0)TrackBack(0)特許 | 知財

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