2007年04月

2007年04月14日

シリコンバレーの弁護士

先日シリコンバレーの弁護士に会う機会があった。

ベンチャーの支援をしている弁護士で、ベンチャーの立ち上げからfunding、株式公開(IPO)、清算まで、つまり、会社が生まれてから消滅するまでの全てを面倒みるという。

弁理士の場合は、会社が生まれてから特許を出願するようになってからの付き合いになることが多い。

大学発ベンチャーのように、特許がまずあって、それから会社を作る場合は別として、中小企業で特許を重視している会社は必ずしも多くない。その余裕もないような人数しかいなかったりする。

しかし、やはり、小さな会社であっても知財戦略は必要だ。いや、小さな会社だからこそ、コスト競争に巻き込まれないように知財で参入障壁を作り、高価格で高利益を生む仕組みを作らないと生き残っていけないのではないか?

日本でも創業するのは大変だが、シリコンバレーでも最初からベンチャーファンドが資金を出してくれることは稀だそうだ。

brother & family fund(親兄弟の資金)によって創業し、ある程度うまく行きだしたらベンチャーファンドが入ってくるようだ。

そういう意味では日本とそれほど違わないという見方もできる。

決定的な違いは、倒産したときの処理だろう。法律により、個人資産を没収することを禁じている。つまり、事業以外の財産は絶対に持っていかれない仕組みが確立している。

日本でもこのような法律ができたら、少し安心してベンチャーを作れるのだが。

また、もう一つの違いがある。

シリコンバレーはかつてのゴールドラッシュのあったサクラメントがある州である。つまり、一攫千金を夢見る人たちの子孫なのだ。

だから、ベンチャーを起こして一山当てる、という価値観がすんなり受け入れられる。東部エスタブリッシュメントとは違った価値観を持っている。

そうした価値観が今のシリコンバレーを作り出した原動力の一つではなかろうか?